「風と共に去りぬ」感想①

風と共に去りぬ

この映画はわたしの好きな映画ランキング不動のNo.1であります。

 

昨夜暇な時間があり、再び風と共に去りぬの本を読んでいてふと気づいたのです。あ、まだここのブログで風と共に去りぬの感想書いてない、と。

 

私はこの映画は何度も観ていて、さらに日本語訳のものではありますが本も繰り返し読んでいます。

だから、これから書く感想には、映画だけでなく、本の詳しい描写を踏まえた上での感想になります。

 

さらに断っておくと、これは私の個人的な感想、解釈ですので、本の作者や映画製作者の方々が意図したものとは違った解釈である可能性もあります。

そこのところはご了承下さい。

 

 

まずこの映画を観たきっかけは、有名な映画みたいだし、みとくべきかな?と思った事でした。レンタルDVD屋さんでよく映画を借りて観ていた時期に、特にみたい映画がなく、たまたま借りることにしたわけです。

 

元々私はローマの休日が好きで、クラシック映画に興味がありました。

とはいえ、風と共に去りぬはかなり昔の映画っぽいにおいがするし、そこまで面白くなさそう…。

と、みる前の私はそこまで期待感なし。

しかし、実際にみてみると、

 

昔の映画なのにカラー!しかも主役の女優さんめっちゃ綺麗!スケール壮大!映画めちゃ長!

 

と、まぁびっくりしました。

本当にヴィヴィアン・リーはスカーレットがはまり役でした。私はスカーレットのキャラクターに惹かれました。それ以外にも、あの時代にこの壮大なスケールの映画をつくれるなんて…!と感動したり、衣装に惹かれたり、南北戦争という時代背景にも興味を持ったりで、この映画にどハマりしました。

 

それからは、スカーレットや、他の登場人物ついてあれこれ考えました。

本を買ってからは、映画では分からなかった細かい描写があり、それぞれの人物についてさらに考えを深めることができました。(自分なりの)

 

そもそも南北戦争を北部側の視点でなく、南部側の視点で描いてあることも魅力でした。

 

その後私はこの映画のDVDと本を買い、さらにはサウンドトラックまで買ってしまいました。

だって映画で使われている音楽が本当に好きだったんだもの…

 

かなりとっ散らかった感想で長くなると思うので、何回かに分けて書きますね!

 

風と共に去りぬ [DVD]

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映画 シェルブールの雨傘 感想

この映画を観たのは2回目です。今回観た感想を書きたいと思います。〈ネタバレあり〉

 

 

ストーリーを簡単に言ってしまうと、

17歳の若い娘、ジュヌビエーヴと若い男、ギイがフランスの港町で恋をし、ギイが軍に召集されたため離れ離れとなり、その間にギイの子を妊娠したジュヌビエーヴが、様々な不安や迷いから別の男と結婚し、愛し合っていた2人は結ばれることなくお互い別の家庭をもつことになる…

という感じです。

 

シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

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今回は気になったところについて書いていきます。

 

まず、冒頭の傘のシーン。
雨の降るシェルブールの町に色とりどりの傘。
最初から切ないメロディーで雨が降っている場面なので、ハッピーエンドにならない予感がしてきます。
人にもよると思いますが、雨はあまり明るい気分にはならないですよね。

 

 

そしてつっこんでおきたいのは、2人が少なくとも2年間離れ離れになってしまうのに子どもをつくることです。ここはやはり若さゆえの浅はかさなのでしょうか。お互いに相手しか結婚はあり得ないと信じきって、なおかつ、離れてしまう前のさびしさや不安からくる勢いもあったのかもしれません。

 

 

それから、ギイのためなら死んでもいいというほどギイを愛していたジュヌビエーヴが、かなり悩んで苦しんだとはいえ、案外あっさりカサールの求婚を受け入れること。

 

ずっとあなたを待っているって言ったやん。ひどいよ、ジュヌビエーヴ。

 

とも思ってしまいますが、これにはジュヌビエーヴにも彼女なりの事情があります。

ギイが戦場へと行ってしまった後、ジュヌビエーヴの元にはなかなかギイからの手紙が届きません。

離れ離れとなってしまいお互いの気持ちを確かめ合うことができないため、ギイがまだ自分を愛しているのかどうか、不安になります。

一緒にいたころのギイとジュヌビエーヴは、ぴったりと寄り添って歩いたり、町中でも抱き合ったりキスしたり、ラブラブでした。特に、「ジュテーム」とはっきり言葉で愛を表現しています。

そこから急に会えなくなったのだから、ジュヌビエーヴの気持ちは当然だと思います。しかし、ジュヌビエーヴ(もしくはギイも)の若さも関係していたと思います。そばにいて、相手からはっきり「愛している」と言われないと、愛を確信することができない。まだ17歳だし、本当には愛が理解できていない部分もあったのではないかと思います。

 

そして、そんなジュヌビエーヴの不安を煽るような発言をする母親も、ジュヌビエーヴのカサールとの結婚の決断に影響を及ぼしています。

母親としては、本当に娘の幸せを想ってのことでしょうが、母親の発言はいちいちジュヌビエーヴを悩ませます。

母親はどちらかというと自動車修理工であるギイのことをよく思っていないし、娘がきちんとした父親がのいないまま子どもを産むことになるのに気を揉みます。そしてここでタイミングよく現れるのが、自分の傘屋の窮地を救ってくれたカサールです。彼は裕福な宝石商です。苦労してきた自分のようになって欲しくない、娘には裕福な結婚をしてほしい。もし娘がカサールと結婚したら、自分の生活も楽になる。母親はもしかしたらそうも考えていたかもしれません。

でも実はカサールが娘に求婚するまでは、母親自身がカサールに気があった(映画でははっきりとはでていませんが、そう見えました)というのが、ちょっとおもしろいところです^ ^

おそらく、母親の影響もあり、ジュヌビエーヴ自身もいつ帰ってくるのかわからない父親の子どもを産むことに不安があったと思います。ただえさえ、ギイからの便りが少ないわけですから。

そんなところに現れたカサールは、ジュヌビエーヴを迷わせます。

彼は他の男の子どもを身ごもった彼女を、それでも愛しているから受け止めると言います。

それに母親もカサールとの結婚を推してきます。

ギイがいつ戻るかわからない、しかも自分をまだ愛しているのかもわからない不安。子どもや自分の将来のこと。そして母親と傘屋のこと。カサールの誠実さ。

すべてを考慮すると、一番いいのはカサールと結婚すること。頭ではわかっていることなのに、ギイとの愛が忘れられない。

 

悩んだ末に選んだのは、現実的な、カサールとの結婚でした。

 

 本能より理性が勝ったのでしょう。

 

ギイがかわいそうな気もしますが、彼らはこういう運命となりました。

 

ジュヌビエーヴが結婚してパリに移った後、シェルブールの町に戻ったギイは、しばらく荒れます。戦場で辛い経験をした後、愛していた彼女に捨てられたのですから気持ちはわかります。

 

待っててくれるって言ったのに。

 

そんな彼ですが、彼を本当に愛してくれる女性、マドレーヌのおかげで立ち直ります。そして、夢だった自分のガソリンスタンドを持ち、マドレーヌとの間に男の子も生まれ、ささやかで幸せな家庭も持ちます。

 

そしてラストの場面。

ジュヌビエーヴとギイの再会です。

このシーンにおいては、解釈に迷います。

ささやかながらも幸せな家庭をもったギイと、母親を亡くし、裕福そうではあっても幸福そうには見えないジュヌビエーヴの対比にもみえます。しかし、ギイが自分の子どもに元恋人ジュヌビエーヴと自分たちの子どもにつけようと話していた名前をつけていた点が気になります。

しかしやはり、最後のほうの、ギイの家族の幸せそうな様子と、車で去っていくジュヌビエーヴの不幸そうな様子を見る限り、幸せをつかんだのはギイなのかなと感じました。ギイが敢えてあの名前を自分の子どもにつけたのは、ジュヌビエーヴのことはやはり少し忘れられないからで、だからと言って、ギイはまだジュヌビエーヴを愛しているというわけではなく、若かった自分の、一種の思い出のようなものかもしれません。

 

結論として、ギイは幸せになり、ジュヌビエーヴは裕福ではあるものの、幸せにはなれなかった

 

というのが、ラストの再会のシーンにおける、今の私なりの解釈です。

 

 

映画って、観るときその時々で感想や解釈が変わってしまいますよね。

 

今の私はこんな感想を持ちました(^^)

多分、次に観るときはまた違った感想を持つのではないかな?

 

今回は主にジュヌビエーヴに関する感想で、他の大事な登場人物にあまり触れていないので、今度いつかマドレーヌについての感想も書きたいと思います。

 

長文失礼しました!