日々の事。ときどき映画

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フランス映画 美しいひと 感想

  

ネタバレ注意!結末にも触れています。

 

淡々としていて、ハッピーエンドであることが少ないフランス映画。

 

これが苦手という人もいるようですが、私は割とフランス映画好きです。

フランス映画特有の冷たい空気感や、観た後に残るもやもやも好きだったりするのです。

 

レア・セドゥ主演のこの映画も例外ではなく、ハッピーエンドとはいきません。

でもそこがいい…。

 

映画は基本的に暗くて淡い色合いで、天気も悪く常に曇っています。

登場人物の服装も、くすんだ淡い色が多い。でもフランス人の彼らが着ているとさりげなくてお洒落に見えます。

 

ストーリーは、

ある日不思議な魅力をもつ高校生ジュニーが母親の死をきっかけにいとこの家に身を寄せて、いとこと同じ学校に転校する。

ジュニーのいとこの仲間たちは、ジュニーに興味を持ち、その中の何人かの男たちはジュニーに恋をする。ジュニーと付き合うことになったのは、真面目でおとなしいオットー。しかし彼らが付き合うことになったのとほぼ同時期にイタリア語教師のヌムールがジュニーに恋をする。言葉には出さずとも伝わってくるヌムールの気持ちに気づいたジュニー。ジュニーはヌムールに惹かれるも、誠実なオットーとの関係を大切にしようとする。しかし、誤解が悲しい結末を生んでしまい…。

といった感じです。

 

ジュニーはヌムールに惹かれながらも、いとこたちのように浮気したり嘘をついたりすることを嫌い、誠実なオットーとの関係を大切にしようとする。

ヌムールは二股をかけていたこともあり、それを知っているジュニーはヌムールとはうまくいかないと考えています。

 

恋は一過性のものであって決して永遠に続くことはない。人間である以上、自分たちは違うなんてことは絶対にない。自分がもしヌムールに身を任せたら、彼の愛は冷めて他の女性の方に行ってしまうだろう。自分にはそれが耐えられない。ずっと自分を愛してくれる人でないと。傷つくくらいなら、ヌムールを好きな気持ちは忘れて、誠実なオットーといたい。恋は相手と距離を置いて時間が経てば忘れられる。

 

これがジュニーの考えだろうと思います。

 

ジュニーは恐らく数学教師の言うように、感受性が強く、傷つきやすいのでしょう。

だから相手の気持ちも大切にしようとするし、誠実であることを相手にも求めます。

しかしそんな彼女はヌムールという好きになってはいけない男を好きになってしまった。

これが彼女を苦しめます。

恋とは不思議なものです。理性ではなく、本能でするものなのでしょう。

 

しかしジュニーは自分の気持ちに正直になることを拒み、理性でコントロールしようとします。

 

ジュニーの考え方は大人ですが、ヌムールは自分の感情に素直です。

結局ジュニーはヌムールから逃げるように去っていきます。

 

私の価値観からすると、自分の気持ちに素直になってもいいのにと思いました。

失敗したり、傷つくこともあるかもしれないけれど、それでもいいのに。それが恋なのに。

 

ジュニーにしても、オットーにしても、深く考えすぎているように見えてしまいます。

楽観視がいいのかというと、そういうわけではないのでしょうが、あまりにも考えすぎるのは自分を不幸にしてしまう気がします。

 

傷つきやすく、敏感なジュニーだからこその苦悩は、これから先も続いてしまうのではないかな…。

だってジュニーは本能的に惹かれる人と、頭で求める人が違うもの。

 

 

なんだか哲学的な恋愛映画でした。

考えさせられる。

何度も観てしまいます。

 

この映画の特徴としては、登場人物たちの視線やちょっとした表情の変化などを読み取る場面が多いです。そこが面白いところだと感じました。

 

 

個人的にはヌムールの話し方が好きでした。

それからジュニーの不思議な魅力もよかったです。

優しそうな顔のオットーもいい。けど、どうして途中で歌い出したの?あのシーン。

 

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