「風と共に去りぬ」感想③

〜メラニー、そしてスカーレットとメラニー編〜

 

ラニーは映画ではとても美しい女優さん、オリヴィア・デ・ハヴィランドが演じているので、本の中の"痩せっぽっちで見た目的に魅力のない"イメージとは異なりますが、穏やかで優しい、温かみのある女性のイメージはしっかり反映されています。

ラニーはスカーレットが愛するアシュリーの従姉妹であり、そして妻でもあります。共に本を愛し、思慮深いラニーとアシュリーは精神的に強い結びつきがあります。そして、その優しい性格のため、この世に悪があると思えず、スカーレットの行動を何でも良いことと勘違いして、スカーレットを愛します。メラニーはスカーレットが悪意あって言ったこと、したことも、良いことと受け取ってしまうため、そのことでもいちいちスカーレットをイラつかせます。とはいえ、このメラニーの勘違いこそが、ぎりぎりのところでスカーレットを救っていたのですが。

 

心優しく聖母のような女性で、みんなに好かれていたメラニー。

そんなメラニーをおそらくただ1人、心の中で貶して嫌っていたスカーレットこそが、実はメラニーがいなくてはならない人だったというのも奇妙というか、面白いというか…。

 

このメラニー、虫も殺せないようにみえて、実はスカーレットの人殺しを褒めたり、その人を埋めるのを助けたりします。スカーレットの人殺しというのは、護身のためやむなくしたことでしたけれど、ここでメラニーがスカーレットを褒めたのには驚きました。しかもメラニーは、スカーレットがもし兵士を撃っていなかったら、スカーレットを助けるために、兵士を剣でさすつもりだったらしいです。そして後々気づきました。あぁ、メラニーも根っこの部分はスカーレットと同類なのだと。

やり方こそ違えど、メラニーは多分スカーレットと同じで現実主義者、オポチュニストです。状況が変われば自らも変わり、泣きごとは言わない。どん底からでも這い上がり、生き抜くことができるタイプの人です。

ただ、メラニーは体力がなく、体が弱い。そして、スカーレットとはやり方も違うため、スカーレットはメラニーの自分と同じ強さに気づかなかった。そもそもスカーレットは他人の精神について知ろうとしなかったから。

 

一般的にみたら、心優しいメラニーの方がスカーレットよりも人当たりが良く、ファンも多いと思います。

しかし、メラニーはスカーレットよりしたたかさは強いと思います。

だってメラニーは、スカーレットが体力的に自分より強いことを知っていて、分かっていたからこそ、スカーレットを頼りました。スカーレットがアトランタに残ってお産を手伝ってくれた時も、

「こんなに私のために助けてくれるのはあなただけよ」

みたいなことも言ってましたね。その後もちゃっかりスカーレットの世話になっていました。計らずにせよ、メラニーにはしたたかな面があります。

 

それに比べて、スカーレットは人の心を推しはかる力が弱く、あまり複雑な考えはしないため、うまく立ち回るのは上手くありませんでした。

 

多分私はメラニーのようなタイプはちょっと苦手なんだと思います。立ち回るのが上手いタイプ。

でも、メラニーは八方美人とは違います。本当にスカーレットを愛し、スカーレットを悪く言う人たちには断固として対抗します。だからただ人を利用しているだけの人とは違うし、嫌いじゃありません。むしろ世渡り上手なメラニーが羨ましいです。はい、ごめんなさい、苦手とかじゃありません。嫉妬です(笑)

(でも八方美人で人を利用するだけの人はほんとに苦手ですよ)

 

スカーレットも最後にはメラニーが大切な存在だったことに気づきますが、それがメラニーが亡くなった後とは…。

本当に、スカーレットはつくづく不幸というか、損な人生だなぁ〜と思ってしまいます。

レットの言うように、スカーレットは人を見る目がないのが不幸なことでした。

 

でもそういうところも含めて、スカーレットって憎めない。好きなんだよなぁ。

 

まだちょっとメラニーについては語り足りてない気がするので、また書くと思います。

もっとメラニーの芯の強さとか、いろいろあるはずなので。