日々の事。ときどき映画

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「風と共に去りぬ」感想②

〜我儘なだけではない、スカーレット〜

私はスカーレットのキャラクターが好きです。

合理主義で利己的。ぱっと見ただけだとただのわがままで冷淡な人かもしれませんが、それだけではありません。スカーレットは意外と情の深い人だと思います。というのも、スカーレットは恋敵とも言えるメラニーのことを心の中で散々に貶したいながらも、どんなときでも見放しませんでした。もちろん愛するアシュリーの頼みであったから仕方なく、という面もあります。それでも並大抵のことじゃないと思います。

 

スカーレットは戦火のもと、自分自身の命を危険に晒してまで、お産のため敵の迫ってくるアトランタを動けないメラニーのために一緒にアトランタに残り、お産を手伝い、間一髪のところでメラニーを連れて実家のタラに避難し、助けます。スカーレットはアトランタが攻め込まれる前から、メラニーを置いて愛する母のいるタラに帰りたがっていましたが、周囲の説得やアシュリーとの約束のために断念します。でも正直逃げるチャンスはあったのです。実際、スカーレットやメラニーと一緒に住んでいたピティおばは2人を置いて一人でさっさと疎開していきましたし。それでもスカーレットは逃げなかった。

 

多分スカーレットは、自分でも意図せず弱いもの、自分を必要とする者を見捨てられないところがあると思います。スカーレットは度々その利己的な行動のために、周囲の人から非難の目を向けられますが、実際スカーレットがいなかったらみんな死んでいたよね?ということが何度かあります。

 

南部が戦争で負けて何もかも失ったとき、現実主義のスカーレットは、辛い思いをしながらも、戦争の前には考えられないような重労働をしてなんとか生き延びようとします。戦争の前のスカーレットは、お金持ちの家の令嬢。パーティーが大好きで、恋の駆け引きが上手。畑仕事をするなんてありえないお嬢様でした。それでもそうすべき時が来た終戦直後には必死に働きます。しかもその時は、頼れる母を失い、父親は呆けてしまったので実質的には父までをも失い、残った黒人の使用人達やメラニーとその赤ちゃんを抱え込んだ状態です。一家の中で、スカーレットが1番強く、生き抜く方法を見つけようと必死になる力を持っていました。だからそうするしかなかったのですが、見捨てることなく一家全員の面倒を見続けるのでやはり情があると言えると思うのです。メラニーや妹のキャリーンは文句も言わずにできる範囲で働きますが、もう一人の妹、スエレンに至っては文句ばかりで働きたがらない。かといって何か解決策を持っているわけでもない。スエレンだけでなく、この一家の人の中に最悪の状況から這い上がる力を持っていた者は他に1人もいません。スカーレットだけです。スカーレットがタラの税金の工面に困って、結局妹のスエレンの婚約者を騙し取って結婚したことに関しても、あの状況を救おうとしたのはスカーレットだけです。確かにやり方は最低でした。褒められることではありません。しかし、もしスエレンがそのまま結婚していたとしたら、タラにお金をまわしていたでしょうか?きっとノーです。スエレンにはスカーレットのような責任感はなかったはずです。その場合タラはどうなったでしょう?きっとみんな終わりだったでしょう。それに、スカーレットがお金の工面をするため、きれいな新調のドレスを用意してアトランタに行こうとしたとき、他の人はスカーレットを止めて、何か別の方法を考えようとはしませんでした。妹達はそこまで頭が回らないにしても、アシュリーやウィル、そしておそらくメラニーだって、スカーレットがやろうとしていることを薄々分かっていたはずです。実際ウィルはアトランタ行きを嫌がっていました。ここでは他にどうすることもできなかった。だからスカーレットがしたことを褒めることも責めることもできないのです。スカーレットは結婚してタラの税金を払い終えてからも、必死に働いてその後のタラの人たちの生活を支えます。タラの人たちだけでなく、他の地の親戚にも援助してあげています。こういうところから、スカーレットが決して自分のことだけを考えているのではなく、弱い者を助けてしまう、情を捨てきれない人だと感じるのです。

 

だから、スカーレットが夫を立てずに自ら商売をして、しかもそれが結構うまくいっている時に、スカーレットに批判的であった人たちは、厳しすぎるのでは?と思ってしまいます。

 

もちろんそういう時代であったから、スカーレットが女らしくない商売をするというのが問題になったわけであって、今の時代では女が商売をしたからといってそこまで問題にならないでしょう。"女性は女性らしく"、"男性は男性らしく"が強要されていた時代であったからこその部分が大きいです。今は全くなくなったわけではないですが、当時からしたらある程度変わってきたと思います。

 

私が現代的な考え方を持ち込んでいるところもあるでしょうが、それはそうと、スカーレットに金銭的に頼っていながら軽蔑する人は正直おかしいと思います。

 

映画の後半の、スカーレットがお金持ちになってからの自由奔放な行動のために旧友を失っていくのは自業自得だから仕方ないとも思いますが、レットと結婚する前のスカーレットに関しては、そこまでスカーレットが非難されることもないではないのか、と思っています。