相も変わらず「風と共に去りぬ」

今回は、映画には登場しない人物のお話。

スカーレットの妹、キャリーンを愛しながらも、もう1人の妹であるスエレンとの結婚を決意したウィルについてです。

ウィルは映画には出てこないけど、本には出てきます。

 

ウィルは戦時中、南部の兵士として戦っていましたが、終戦後弱っているところをタラの人達に救ってもらい、その恩返しのような形でその後のタラの面倒をみることになります。

 

ウィルが病気でうなされている時に、傍らで看病してあげたのがキャリーン。

キャリーンは婚約していた恋人を戦争で亡くし、その悲しみを乗り越えられずにいたところでした。

ウィルが回復し、タラの農園で働くようになってからも、キャリーンは文句を言わずに働きつつも、いつもぼうっとして何か思い悩んでいる様子。

この原因を、一家の長であるスカーレットは知りませんでしたが、ウィルはキャリーンが失った恋人を想い、祈っていることを知っています。キャリーンはウィルにはいろいろと打ち明けていたようです。

 

心優しいキャリーンを好きになるウィルでしたが、キャリーンが亡くした恋人の事を忘れられない事、自分のことは兄のようにしか思っていないことをわかっていたため、告白することなく諦めます。

 

そして、いろいろあって、体面上そうするのが一番良いと考えて、スエレンと結婚することを決めます。

しかしウィルは上流階級の人間ではありません。この時代の南部の人達は、階級を重んじていたわけなので、ウィルと名家の娘、スエレンの結婚は、戦争以前では考えられないことでした。

それでもウィルはとてもいい人で、身分以外は申し分ない、スエレンには勿体無い男だと上流の人達からも認められています。

 

ウィルは最善にするにはどうしたらいいかを考えられる人。教養がなくても、ウィルのように考えることのできる賢い人は尊敬します。ウィルも生き抜く力のある人物です。